佳美
ついに禁断の領域に手を出したー。
一ヶ月に一回くらい決まった四人で定期的に飲んでんだよ。
男三人と、佳美（よしみ）って独身でフリーの女一人で。
この佳美が
もの凄くいいやつなんだけど
一ッつも寝る気になんねーような女なんだよ。
なんつーか、フェロモンがねーんだわな笑
だから、男と飲んでる感覚で、しかし女の本音も聞けるから勉強になるんだよね。
どんな下ネタでもOKだから。
帰り道は俺と同じ方向だからいつも泥酔した佳美と二人で帰るんだけど
先日
あまりに他人と寝ない日々が長すぎたから
性欲を抑えられずに
佳美をホテルに誘っちまいましてね。
佳美も「とにかく やりたいけど相手がいない」状態だから
とりあえず人間の女性としての機能さえあればいいし、人助けにもなると思って。
そしたら すごい喜んでOKしやがってね。
ただ
部屋に入るなりドサッとベッドに横たわりやがったんだけど
酒飲んで胃が荒れまくってるせいか
なんか体全体から獣臭い匂いがするわけ。
獣臭いって言っても、
濃厚なとんこつラーメンみたいな匂いじゃなくて
山の中で土だらけのイノシシに会ったみたいな匂い。
一気に興ざめするような匂いだよね。
なるべく自分と佳美の顔を 離した位置でプレイしようと思って
まず自分が脱いでから、佳美の脚元に回って、服を一気に脱がせたら
「ウワァァァッッ！」って。
思わず声が出るほど 強烈な匂いが襲うわけよ。 おぞましいような匂い。
分泌物系の匂いとかじゃなくて
何十日も下着を替えてないような匂い。
もういくらなんでも耐えられる匂いじゃないから
「ごめん、今日はやっぱり駄目だ。飲み過ぎた」って
ベッドによしみと並んで 首まで布団を かけて寝ようとしたわけ。
首から下隠して空気を遮れば、なんとか 口の匂いだけで済むから。
フーッて一息ついて
でもこれが大きな間違いだったんだよね。 安心したのがダメだったんだよ。
やっぱり トイレに駆け込むなりして最後まで逃げ切らなきゃいけなかったんだね。
佳美がいきなり「ガバッ」と
布団を、 二人の頭までかぶるような感じにかけやがって
甘えた声で「今日はこうやって話すだけでいいの！デヘヘ」って。
掛け布団の中に二人の体が
頭まですっぽり入った状態で
よしみの体の匂いが、 逃げ場がないから 布団の中で充満してるわけ。
地獄だよね。
もう 呼吸器官がさ
海の中で溺れたような 感じなんだよ
布団の中で、もがいて、七転八倒の苦しみ。
最後に歯がカタカタ 言って震えてきて限界に達したから
たまらず 布団から飛び出してトイレに駆け込んだんだけど
気がついたら、
便器抱えたまま朝になってました。
おかげで飲み過ぎたって解釈してもらえたけど
ああいう匂いってあんのか？
おかげで、なんか、当分
女性の体、見たくもなくなった。
キープがいないから
性欲をセーブするのにちょうどいいよ笑
風俗代もかかんないし
どんなどうしょうもない女性でも
役に立つ可能性はあるってことだろうね。
